ヤシュウの部屋

30代ゲイが生き方を模索しながら考えたことを綴るブログ

人気オカマ実況者の炎上引退騒動から考えるニコニコ運営の責任

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俺は(オネエ系の)ゲイによるゲーム実況動画、いわゆるオカマ実況が好きでよく見ていたのですが、先日オカマ実況界隈で残念なニュースがありました。

 


このオカマ実況者さん(Tさん)がニュースにまとめられているような問題発言を自分のニコニコ生放送や実況動画内でしていたのは、かなり前(2015年)からです。

最近になって、問題発言の部分だけを切り取ってまとめた動画を何者かがニコニコ動画youtubeに投稿して騒ぎになったので、今頃こうしてニュースになっているわけです。

 

 

 俺はもともとゲーム実況動画を見るのが好きで、Tさんがニコニコ動画にゲーム実況動画を投稿し始めたかなり初期の頃から「なんて面白い実況者が現れたんだ!」と思って注目していました。

オカマ実況というカテゴリの実況者はTさんよりも前から何人か存在していたのですが、俺にとっては初めて見るオカマ実況で、しかもゲイの実況動画を初めて見たということもあり、すぐにファンになりました。

当時のTさんは『ときめきメモリアルGirl's side3』というゲームの実況プレイ動画を投稿していて、ゲーム内で『妖精のカギ』というアイテムの話が出てくると「私は妖精のカギよりも陰性のタチがいいわ!」などと言って視聴者を笑わせていました。

(妖精→陽性→HIV陽性という連想からのギャグ……って説明しちゃうと何か寒いですね汗

 

 Tさんはオカマならではの語り口ときわどい下ネタで、すぐに人気者になりました。

人気のあるゲーム実況者は、ニコニコ動画の運営がおこなう公式放送に出演者として呼ばれることがあります。

公式放送のギャラは少ないそうですが、公式に出演するのは人気実況者であることの証明でもあり、喜んで出演する実況者が多いです。

人気実況者となったTさんは、徐々にニコニコの公式放送に出演する機会が増えていきました。

 

Tさんが公式放送に出演しはじめたころ、俺はなんだか誇らしいような気持ちで見ていました。

有名になる前から注目していた実況者が、公式放送に出演するような人気者になって活躍している。しかも自分と同じゲイの人だということで、なんだか親近感もあり嬉しかったです。

 

しかしTさんが公式放送に出演している様子を何度か見ているうちに、俺は「なんか期待していたのと違うな…」と思うようになっていきました。

公式放送でのTさんの主な役割は、いわゆる『罰ゲーム役』のようなもの。

Tさんが一緒に出演している他の実況者(ノンケ男性)に無理やりキスしたり、ボディタッチしたりして、相手がいやがっている様子を見て周りの出演者がゲラゲラ笑っている、というシーンが何度もありました。

昔のテレビ番組で問題になっていたような、「ゲイに襲われるノンケ男性」を笑いのネタにするような企画がニコニコ公式放送でおこなわれていたわけです。

近年の地上波のテレビ番組では、いろいろな団体からの抗議のおかげか、こういう同性愛者への偏見を助長するような番組はほぼなくなりましたが、10年くらい前まではテレビでこういうシーンを見かけることも多かったですよね。

 

公式放送の中で求められたキャラを見事に演じていたTさんは、しだいに自分のニコニコ生放送twitterでも、他の男性実況者へのセクハラ発言を繰り返すようになりました。

人気実況者同士は公式放送などを通じて知り合う機会も多く、セクハラ発言もひとつのネタとしてやっていたわけですが、他の実況者のファンの中にはTさんのことを快く思わない人も増えていきました。

そうしてTさんのアンチが増えていった結果、Tさんに誹謗中傷のメッセージを送ったり、Tさんの個人情報をネット掲示板に書き込むなどの嫌がらせがおこなわれるようになりました。

そうした嫌がらせに悩んだTさんは、ついに警察に相談したことをtwitter上で報告。アンチに対して、これ以上の嫌がらせをしたら警察に捜査してもらいますと警告しました。

 

しかしこれが火に油を注ぐ結果になってしまいます。冒頭で紹介したニュース記事の元になっている、Tさんの問題発言まとめ動画を何者かが投稿したのです。

最初はTさんの顔が分かる動画になっていましたが、Tさんからニコニコ運営に肖像権の侵害ということで削除要請し、すぐに削除されました。

その後Tさんの顔の部分にモザイクをかけただけの同様の動画が投稿され、再びTさんがニコニコ運営に削除申請したのですが、顔が分からないようになっているということで肖像権侵害にはならず、削除されませんでした。

問題発言まとめ動画がニコニコから削除されなかったことに腹を立てたTさんは、自身のtwitterニコニコ動画からの引退を宣言。今後は他の動画サイトで投稿や生放送を続けるそうです。

 

今回の一連の騒動の中でネット上では、Tさんの過去の行動や発言に関していろいろな意見がでているわけですが、個人的には「Tさんも悪いし、ニコニコ運営にもかなり問題がある」と思いました。

もちろん痴漢やストーカー行為などの犯罪自慢のような発言をしていたTさん自身にも問題はありますし、過去の問題発言については早めに謝罪すべきだったと思います。(現時点でTさんは過去の問題発言について謝罪や訂正するような声明は出していません。)

謝罪するのは嫌がらせに負けたようで悔しい、というのはわかるけど、自分の放送で不適切な発言をしていたのは事実なので、過去の自分は間違っていたと素直に認めちゃったほうが騒ぎが大きくならずに済んだ可能性が高いでしょう。

騒動が起こる前後のTさんのtwitterはアンチに対する攻撃的な発言が多く、見ていて残念な気持ちになりましたし、かなり幻滅しました。

 

ただしTさんが放送やtwitterで過激な発言をするようになったのは、ニコニコの公式放送でセクハラオカマキャラを演じるようになってからのことです。

男性への痴漢行為自体は昔からやっていたようですが、そのことを放送で堂々と喋ってしまうような人ではありませんでした。

公式放送で求められたセクハラキャラを「こういうのがニコニコではウケるんだ!」と良かれと思って続けているうちに、どんどん過激になっていって墓穴を掘ってしまったと考えると、そもそも公式放送の企画側にも責任の一端があるのでは?という気がします。

 

地上波テレビではできなくなった「ゲイに襲われるノンケ男性を笑いのネタにする企画」を、芸能プロダクションに守られていない素人である実況者にやらせるというのは、あまりにも危険です。

ゲイから見ると、公式放送でゲイへの差別を助長するような行動をしているということで、Tさんはいつ炎上してもおかしくない状態でした。

しかも実況者のファンの中には、芸能人と同じように実況者に対して擬似恋愛感情を抱いてしまっているような人もいますので、「私の○○君にキスしやがって!許せない!」みたいな人がでてくることも容易に想像できます。

 

最近のテレビ番組はどんどん自主規制が厳しくなっているので、ネット番組はテレビではできないことができるユートピアみたいになっています。

しかしテレビでできなくなったことには、それなりの理由があります。

AbemaTVなどであればネット番組といっても出演者の多くが芸能人ですが、ゲーム実況関連のニコニコ公式放送では出演者の大半が素人ですから、テレビではタブーになっているような(いろんな意味で)危険な企画をやらせるのは避けるべきでしょう。

公式放送でつけられたキャラ設定が発端となって、 どんどん過激なセクハラキャラになっていったTさん。

公式放送以外での発言やふるまいに関しては、本人に責任がありますが……もしTさんが公式放送に出ていなかったら、ここまで過激な人にはなっていなかったのではないかと思わずにはいられません。

 

またTさんの問題発言まとめ動画(モザイクあり)への削除要請を認めないというニコニコ運営の対応にも疑問です。

モザイクがあれば肖像権の侵害にはならないというのは分かりますが、そもそも他人の生放送や動画を編集してモザイクをかけただけの動画を投稿コンテンツとして認めていいのでしょうか?

ニコニコ生放送利用規約上は、放送したコンテンツの著作権は配信者に帰属することになっているので(もともと第3者の権利になっているものは除く)、配信者(Tさん)が削除要請したら削除するのが正しい対応では。

削除要請が多くなると大変なのは分かりますが、あまりにも生放送配信者をぞんざいに扱いすぎでは?と思いました。

 

いろいろありましたが、とにかくTさんに対してもニコニコ動画の運営に対しても、とても残念な気持ちになってしまった騒動でした。